　地球は丸い形をしていることはよく知られているが、地球上の位置を性格に知るには、位置の基準となる面を決めてやる必要がある。現実の地表面は山や谷などの凹凸が複雑に分布しているので、位置の基準面としては適さない。
　地表面の約70％は海洋なので、海面は地球の形を表していると考えることができる。実際は潮汐や波などによって海面は変動しているので、長期間の平均をとった平均海面と考える。陸地では平均海面を延長した仮想的な面を考える、一つの面ができあがる。これはジオイドと呼ばれ、地球の形状の一つと考えることができる。下の図はジオイドを表すが、非常に誇張されており、実際は起伏の最大の大きさは150mくらいである。

　地球上の位置を表示する方法はいくつかあるが、最もよく使われるのが緯度と経度である。
　緯度はその点における楕円体面の法線が赤道面となす角度で表される。赤道から北を北緯何度、南を南緯何度と90度まで数える。
　経度はその点を通る子午線が、経度0を通る子午線となす角度で表される。経度0を基準にして東側に東経何度、西側に西経何度と180度まで数える。
　地球の重心を原点(0)として、Ｘ軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Ｙ軸を東経９０度の方向に、そしてＺ軸を北極の方向にる、三次元直行座標系を使用することもある。

　ジオイドはかなり滑らかな曲面だが、まだ数学的に表示するには複雑すぎるので、ジオイドに最も適合するような回転楕円体を地球の形と大きさを表すと考え、これを準拠楕円体という。地球上の位置の基準を準拠楕円体にする。

　日本列島は、ユーラシア大陸の東の縁に位置し、東側には日本海溝がある。日本海溝付近では、ジオイド高が急激に低くなり、東京ではジオイドが準拠楕円体とは平行ではなく、傾斜している。下の図も非常に誇張されている。

　これまでは緯度・経度の水平位置の話をしてきたが、位置を決めるためには高さも必要にな.る。高さの基準はジオイド面が使用されている。日本では東京湾の平均海面を0mとしている(ジオイド面と一致すると仮定)。東京湾の平均海面から水準測量により求められた水準原点が実際の測量の基準として利用されている。水準原点の標高値は、24.4140m。